マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
イラッとしてしまい、瞳真の方を見ないまま、注文書と納品書を引き出しにしまって片付けた。
しかし、そんな私の態度に気付かないのか、更なる質問をしてくる。
「じゃあ…キスはしたのか?」
な…。
何でそんなことを…!
「…瞳真には関係ないでしょ!」
怒りの勢いで、思わず突っぱねてしまう。
今度はそれ?
だから、男子のエロ談じゃないでしょ!
どうしてそんなに知りたがるのよ!
…でも、キス。
途端に、無理矢理思い出される。
蓑島くんからの、あの指と頬のキスを。
あれは…キスしたっていうのかな。
唇は死守してるんで。
キスした、って言えるんだろうか…。
思い出しただけで恥ずかしくなるけど、今そんなこと考えてる場合じゃない。
「…関係ない?」
瞳真はガタンと席を立つ。
もう帰るんだろうか。
腹が立つのか恥ずかしいのやらで、瞳真の方を見れないままでいた。
瞳真の声は、トーンが落ちていて更に不機嫌さを増していたが。
いやいや。ここは私が怒る場面でしょ。
さっきは怯んだけど、今は怯まないよ。もう。