マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「…へっ?!…蓑島くん?!」
考えもしなかった人物の名前が出てきたことに、どこから出たかわからない変な声が出てしまった。
蓑島くん?!
何で急に蓑島くんの名前が…!
本当に蓑島くんと付き合ってるの?
って…?
…美優は、私達の偽物カップル事情を知らないから。
私と蓑島くんは、普通のカップルという認識、だよね。
まさか、もう終わりにしようと私が持ちかけているなんて知る由もない。
…まさか。
あえての確認?
蓑島くんと付き合ってるから、瞳真とはそんなことないよね?みたいな。
疑われているのかな?
「星月は…本当に、蓑島くんのこと…好きなの?」
気が付くと、美優は不信の眼差しをこっちに向けている。
…もし、疑われてるのだとしたら。
私と蓑島くんの現在の経過がどうであれ、そこは答えておかねばならない。
蓑島くんと私は付き合っている、って。
そのための蓑島くんだ。
「あ、うん、まあ…」
あぁ…。
曖昧に答えてしまったことに、心の中でため息が出そうになった。
私、何で嘘を付ききれないんだろう…。
嫌になるわ…。