マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
「じゃあ星月によろしく!おまえも頑張れよ!」
最後にそう声を掛けて、門脇部長はちびっこたちの所へ戻った。
ちびっこたちが整列して、挨拶している。
それを目にすると、再び…昔の記憶と被せてしまう。
俺達も、昔はああだったんだろうか。
余計な事を何も考えず、ただみんなでやるサッカーを楽しむことを考え。
みんなで勝ち取った勝利を喜び、時にはケンカさしたり、泣いたり。
あの時は、楽しかった。
俺達の代は、キャプテンである星月が中心にいて、星月がプレイとムードでみんなを引っ張る。
星月には、思い込みが激しく暴走する事がある。
だけど、そんな時は副キャプテンの俺がフォローしたりして。
…相棒気取りでいたぐらいにしといて。
向かう方向はみんな一緒。
そんな良いチームだった。
あの頃の星月は、メンバーの中で技術やセンス、フィジカル全て頭一つ二つ飛び抜けていて。
道、全国に選抜されるほど。
『未来のなでしこジャパン』と、テレビ取材が来るほどの選手で…俺もついでにテレビに出たことがあったな。
そんなキャプテンのいるチーム。
飛ぶ鳥を吹き飛ばす勢いの強さで、大会ではたくさんの旗を取り、黄金時代を築く。
それは、まさに『栄光』とも言える。