マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
恐れていたことが、現実となったかもしれない。
だから、星月にこういう話を一切しなかったのに。
(ちっ…)
これは、何の苛立ちか。
見捨てられて悔しいのか、悲しいのか。
それとも、めんどくせーと思っているのか。
でも、どっちにしろ距離を置かれていることには代わりはなく。
それからの俺達は、どんどん距離が離れていく。
廊下ですれ違っても、立ち話はおろか、目を合わせることもない。
口を聞くこともないまま、時間だけが過ぎていった。
気にならないと言えば、嘘になる。
でも、なぜこんなにも距離を置かれているのか、わからないうちは、どうしようもない。
手の打ち様を模索するが、だんだんめんどくさくなっていく。
もういいや。俺は干されたんだ。
そう思ってヤケになるが。
…何なんだ。
俺は、おまえの『相棒』じゃなかったのかよ。
どこかしらに見捨てられたような不安が、胸の中に残っていて、正直ショックだった。
そんな思いを抱えながら、大会も終わり、部活は引退を向かえて、夏休みとなる。
俺達の距離は開いたまま、一学期が終わってしまった。