マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



恐れていたことが、現実となったかもしれない。

だから、星月にこういう話を一切しなかったのに。




(ちっ…)




これは、何の苛立ちか。

見捨てられて悔しいのか、悲しいのか。

それとも、めんどくせーと思っているのか。



でも、どっちにしろ距離を置かれていることには代わりはなく。

それからの俺達は、どんどん距離が離れていく。

廊下ですれ違っても、立ち話はおろか、目を合わせることもない。

口を聞くこともないまま、時間だけが過ぎていった。




気にならないと言えば、嘘になる。

でも、なぜこんなにも距離を置かれているのか、わからないうちは、どうしようもない。



手の打ち様を模索するが、だんだんめんどくさくなっていく。



もういいや。俺は干されたんだ。

そう思ってヤケになるが。



…何なんだ。

俺は、おまえの『相棒』じゃなかったのかよ。



どこかしらに見捨てられたような不安が、胸の中に残っていて、正直ショックだった。




そんな思いを抱えながら、大会も終わり、部活は引退を向かえて、夏休みとなる。

俺達の距離は開いたまま、一学期が終わってしまった。



< 599 / 800 >

この作品をシェア

pagetop