マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様




その後、更衣室に駆け込み、マッハで着替える。

時間に追われ、着ていたジャージ、Tシャツを脱ぎ捨てて慌ててブラウスに手を通した。


「星月、胸大きくていいな…」

横で着替えている美優からの視線を感じる。

「…去年引退してから、入院中に太っちゃって。で、リハビリ始めたのと高校入学して部活始めたら痩せて胸だけ残っちゃったんだ」

「一回太るといいんだ…」

でも…このEカップの胸のせいで、あのセクハラ大魔王にしつこくされるのであって…。




『星月!俺が彼氏になってやる!』



あぁぁ…思い出してしまった。

昨日の蓑島くんの変なオファーを。




やばい。教室行きたくない。

会いたくない。




「づき!…ねえ、星月?」

「…ん?あ、あぁぁ何?」



蓑島くんのことを考えてたら、美優の声が聞こえなかった。

あぁぁ…私の頭を侵食しないで、蓑島くん。



「星月、昨日何時に帰ったの?」

「…え?何で?」

「いや、昨日先帰って悪いことしちゃったと思って」

「いや、全然。私、家歩いて10分だしいいの」

「でも…私だって、昨日結局終電で帰ってんだもん。今度からは星月と残るようにするね」

「うん、わかった」



(………)



終電で帰ったとか、聞かさないでよ…。

瞳真とそんな時間まで一緒にいたんだと思うじゃない…。



美優は、いい子。

だから、こんな嫉妬とか…したくない。





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