マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『…あら、瞳真帰ってたの』
『…ただいま』
ソファーから立ち上がって、何となくキッチンに赴き、何となく冷蔵庫を開ける、
…いや、何となくではない。
話の内容が気になってしまった。
『…ねえ、今の電話、杉マネ?』
冷蔵庫からミルキングを取り出して、閉める。
気になってしまったらもう聞くしかなく、ズバリと聞いてしまった。
『…うん』
『何かあったの』
『それがね…』
そして。
少し間を置いてから話し出すその内容に、愕然とさせられることとなる。
『…星月、遠征先の試合でケガしたみたいなのよ』
『ケガ…?ど、どこの?』
『右膝の前十字靭帯断裂』
『だ、断裂?』
右膝のどこがどうなってるのか、知識のない俺には何が何だかわからなかったが。
断裂という言葉で、ただ事ではないことは、わかる。
星月が、足をケガ…!
『向こうの病院に運ばれて検査したら、手術適応だって言われて、入院と手術でずっと熊本県に滞在するワケにいかないから、明日、飛行機でこっちに帰ってきてうちの病院に入院することになったの』