マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



これは…本当にマズそうだ。

あの足の変な方向といい、あの痛がり方といい。

大丈夫なのか?



どうするんだよ。これから。

目先の進路や、オールスター、日本選抜のことだけじゃない。

ひょっとしたら、選手生命そのものが危ないだろ?

ケガ治って、またサッカー出来るようになるのか?




結果に愕然とし、ベッドに横になったまま、茫然とする。

受験生のくせに、塾の予習もせずにただボーッとしていて、そのまま寝落ちしてしまった。





目が覚めた本日も、単調な繰り返しの日々が始まる。

しかし、星月のことを頭にチラつかせながら、塾の講義を受けていた。



アイツは今、どうしているのか。

どんな気持ちでいるのか。



絶望して、いるんだろうか…。



その様子を想像しただけでも、切ない。



本当に酷だよ。

星月には、サッカーが全てなんだぞ。

同じ歳の女子は、やれ恋だのやれ彼氏だの騒いでいる時に、星月は意識高くサッカーに打ち込んでいた。

将来の夢や、明確なプランもあって。

…そこらでだらだら生きている俺達とは、大違いだ。



だからこそ、尊敬していて。

そんなやつの相棒でいられたことは、とても誇りに思っていた。



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