マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
なのに…。
頼むから、アイツから全てを奪わないでくれ。
その後、星月は無事こっちに到着したと、夜帰ってから母親に聞く。
しかし、検査や処置が立て込んでいて、お見舞いは落ち着いてからにしなさいと言われた。
言われた通りに、落ち着く日々を待っていると、いつの間にか夏休みも終わりを迎えていた。
夏が…終わる。
『…星月、入院してるってマジ?』
始業式早々、元少年団仲間で話題に昇ったのが、この話だった。
『え?マジマジ?』
『試合中に膝やったとかって。…なぁ、瞳真?』
『手術したって…瞳真の母さんのいる病院に入院してるんだろ?』
『あぁ』
巡り巡って、みんなの耳にも入っているようだ。
『あいつ…大丈夫か?』
少年団仲間の一人、尊が呟く。
すると、みんな一斉に『うーん…』と唸り始めた。
『ケガ、どの程度なんだろうな』
『まさか…選手生命終わりとかじゃねえよな?』
『おいおい。恐ろしい事を言うな。星月からサッカー取ったらヤツは発狂しそうだぞ』
『落ち込んでんじゃねえかな…』
弱々しい言葉が吐き出される中、俺は一つ提案をさせてもらう。
『…みんな、これから見舞い行かねえか?』