マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『見舞い?』
『うん。見舞い』
…先日、星月は手術も無事終わり、落ち着いてきたから見舞いに行ってもいいと、母親が言っていた。
みんなも星月を心配してるし。
何たって…俺が会いたい。
今現在、星月はどうしているのか。
俺が一番気にしてると思う。
そうして、俺達は学校が終わった後、その足で星月の入院している病院へと向かった。
外は、雨が降っていた。
男子七人、バスと地下鉄を乗り継いで、傘をさしながら少し歩く。
『…と、瞳真。傘持ってきちゃったのか?』
『あ…』
建物内に入り病室に向かっている最中、傘を正面玄関に置いておかず、手に持って入ってきてしまったことに気付く。
やってしまった。
廊下、傘から水が滴り落ちてベシャベシャだ。
『おいおい。相変わらず抜けてんなおまえ』
『………』
濡れた傘は、病室の前に立て掛けておいた。
病室に入ると、星月はベッドの上にいて。
体は起こしているも、足は下ろさず。
ケガした右足は、物々しい装具で固められていた。
動かせないのか。
その姿は、想像以上で何と言葉をかけていいかわからない。