マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



エレベーターから出て、広い吹き抜けのロビーを横切ろうとしたとき。

『あ…』

尊が急に立ち止まった。

『どした』

『…竜堂さんだ』

『え?』



尊の目線の方向に顔を向けると。

そこには、紺のポロシャツ姿の男子高生がこっちに向かって歩いてくる。

背が高くて、モデルもしくはイケメン俳優のようで、大物オーラを発しているからだいぶ目立つ。

その後ろには、同じく白ポロシャツを着た女子高生が付いて歩いていた。



少年団の先輩、竜堂さんだ。

星月の兄の友達で、俺らの三つ上だから、高校三年生。俺らが小三の時、小六。



星月の…最も尊敬する先輩だ。



少年団時代から、彼と星月の兄は飛び抜けてサッカーの技術が高かった。

策士なのか、ゲームの組み立てが上手く、プレイにも華がある。

中学では、部活じゃなくクラブチームに所属していて、はたまた二人の活躍で全国大会優勝なんてしてる。

非常に注目選手だったんだけど、強豪私立ではなく、地元の市立高校に進学し、その高校を二年連続全国大会出場させている。



俺達の中で、そんなスターである先輩と偶然鉢合わせてしまった。



『…お。おまえら、星月の見舞い?』



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