マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
廊下をふらふらと一人歩く。
下を向いていたけど、足元の視界がぼやけてきた。
軽く吐き気がしたと思ったら、どっと一気に涙が溢れてきた。
(…くそっ)
意識とは逆に、次々と溢れ落ちる涙は止まらなくて。
やがて足は止まり、その場に立ち尽くす。
…悔しい。
自分の不甲斐なさに腹が立って、悔しくて。
情けなくて…。
星月、ごめん。
頼りにならなくて、ごめん。
何もわかってなくて…ごめん。
そう思うと、涙がますます止まらなくて。
しばらく動けなかった。
さっきとは打って変わって、綺麗な青空に眩しい日差しが差し込んで。
それが、やけに憎たらしかった。
中三の、夏。
…これが、俺の最後に流した涙。