マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…きっとビビってんだ。俺。
俺は、もう必要ない。
アイツと会って、そう感じ取ってしまうことが…恐いんだ。
…いや、イジケてる説もあるけど。
『…で、志望校は決まったのか?』
『あ…』
また更に時が流れて、紅葉もすっかり消え失せて。
初雪はすでに降り終え、ちょっとずつ寒くなってきた頃。
受験する先の高校を決める、進路相談の最中。
この時期にして何のプランもなく、志望校が決まっていない俺に、担任はため息をついていた。
『…ったく、時間はいっぱいあっただろうが。何の希望もなく、ただ勉強してたっていうのか』
『忘れてました』
『わ、忘れてた?!おまえ、受験生だよな?!』
全くだ。
他にいろいろ考えることが多くて、すっかり忘れてた。
って、受験生のくせに志望校決めるの忘れてたって、無いよな。
でも、行きたい高校が無い。
『まったく、のんびりにも程があるぞ。…水口ならサッカーやるのか?なら、私立なら北甲とか、西海大とか。公立なら星天とか。おまえ程の選手なら強豪でもやっていけるだろ』
『うーん…』
『おまえの成績なら星天高校、校内推薦で行けるぞ?』
『………』