マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
ご機嫌な杉マネは、一瞬きょとんとした横顔を見せる。
『…あれ?瞳真、星月から聞いてないの?』
『あ、あぁ…はい』
…俺と星月が、ここ何ヵ月もまともに話してないなんて、杉マネは知らないだろう。
そう思って、思わず言葉を濁してしまう。
しかし、そこは詮索されずにご機嫌な声で教えてくれた。
『あのね、星月ね。星天高校受けるの』
は…。
『…えぇっ?!』
『驚いたでしょ?私も驚いたもん』
『だ、だって!星天は公立で女子サッカー無いんじゃ…!』
『サッカーはもうやらないんだって、あの子』
『………』
やっぱり…。
予想していたけど、まさかの結果に下を向きそうになる。
星月は、やっぱり…サッカーを辞めるのか。
『…今回のケガでね、相当ショックが大きかったみたい。今までトントン拍子に何もかもうまくいきすぎて、初めての挫折があまりにも大きすぎた。あの子、思ったより弱かったんだ』
『そんな…』
『…あっ、そんなに落ち込まないで?でも、違うカタチでサッカーを続けるって今は立ち直ってるから』
『…違うカタチ?』
すると、杉マネはまたご機嫌な声で嬉しそうに話す。
『あの子ね、星天高校でサッカー部のマネージャーをするんだって』