マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
そんな大それたデカいことは言わない。
あくまでも、アイツとは『一緒にサッカーをする』んだ。
選手とマネ、だけど。
…絶対、レギュラー取る。
で、俺が出た試合には、必ず勝ちを収めて。
その勝利を一緒に喜ぶ。
また、あの時のように。
一緒に、やるんだ。
翌日、校内推薦の選考に申し込んだ。
受験に対して、ちょっとした目標が出来た。
そうなると、少しずつだけど顔を前に向けて過ごすことが出来る。
何だかヤル気も出てきた。
目標…星天高校に入って、星月とサッカー部に入る。
絶対、試合に出る。
推薦入試は、成績を極端に落とさなければ、合格は確実。
担任にそう言われて、一層勉強に励む。
…そんな、12月に入ったばかりの事だった。
『いらっしゃいませー!…あ、瞳真くん、こんにちは!』
『こんにちは』
本日も塾が休みなので、家で過ごすための食料調達に、パン屋へ来た。
塾休みの日のルーティンになってる。
いつものように、クロワッサン二個をトレイに取り、レジに出す。
あのパン屋の娘がまたお会計をしてくれていた。