マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
昨日に引き続きの攻防を教室のど真ん中で、人目を気にせず繰り広げる。
だが、私達の様子をしばらく見ていた二人は、疑惑の視線を向けながら、私達に尋ねた。
「…え?彼氏になったって…?」
「その、二人は…付き合ってるの?」
…あぁ、やっぱり!
蓑島くんのあの第一声を聞いたらそうなるよね!
誤解しちゃうよね!
「ち、ち、違うっ!ぜ、全然そんなんじゃない!この人が勝手なことを言ってるだけで…」
「俺はちゃんと星月を好きですよー?」
「………」
このよくわからない男の、わからないけど冷静な発言は、再び私達をフリーズさせる。
「えっ!じ、じゃあ!蓑島くん、星月のこと!う、嘘っ!ミスターが!」
「いや、そうじゃなくて!い、いや…」
蓑島くんが誤解を与える返事をする前に、おもいっきり否定させてもらう。
しかし、それから何と説明したらいいのか…わからない。
まさか…私を慰めるために、彼氏を名乗り出たなんて、言えない…。
「…ちょっと、悠介。星月と付き合うとか何とか言ってるけど?あんたにはゆらがいるでしょ。星月を愛人ポジションに置こうとしないで」
彼の事情を知っている斗弥子は冷静に冷静に、彼に問う。
斗弥子、わかってくれてる。
頼もしい。