マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様


何だ。ただの世間話か。



この人は、俺様チックではあるが、後輩の面倒見は良い。

だいぶ歳の離れている俺達の名前もしっかり覚えていて、必ず声を掛けてくれる。

尊たちも、声かけられたー!って喜んだりしちゃって。

俺は、気に入らないけど。

星月がキャー騒ぐから。



『まあ座れ』と言うので、向かいに座る。

すると、気付いてしまった。

うわっ。皿に乗ってるクロワッサンの量、半端無い。

五個は乗ってる。

三年だから引退してんだろ?こんだけ食って太らずに、モデルみたいな体形維持してるのがすごい。

しかし、その大量のクロワッサンをまじまじ見ているのに気づかれる。



『あ、それ。食っていいぞ』

『………』



こんなに食えるか。

バターで胃もたれする。



『この間、里崎にイオンで会っておまえらの進路聞いたんだけどさ。水口だけ全然決まってないっぽいっつーから。どうしたもんかって』



里崎…尊のことだ。

あいつ、何でもべらべら喋りやがって。



『あの代じゃ、頭出てんのおまえだろ。何か迷ってんの』

『…竜堂さん、そんなことより。聞きたいことあるんすけど』

『は?何を急に』

『何で星月を星天高校のサッカー部に連れてったんですか?』


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