マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
(………)
何か…すげえ悔しい。
何で、この人はここまで星月のことをわかっていて。
そこまで導いてやる力があるんだろう。
何も考えつかなかった、何の力も無い俺。
ムカッ腹立ってくる…。
『…まあ?間近で他人がサッカーしてんの見てたら、星月のことだ。半年もすりゃまたサッカーしたくなるに決まってる』
『…それを見越してのことですか』
『まあな』
そう言って、悪そうに笑っている。
本当にわかっているんだと思うと、なお腹立たしい。
…おまえなんかに、負けるかよ。
俺は相棒だぞ?
元、だけど。
『竜堂さん』
『…何だ?』
『俺、星天高校入ります。サッカー部に入って、絶対レギュラー取りますから』
ムカッ腹立った勢いで、宣言してしまった。
こんな神先輩に向かって、挑戦状、みたいな。
『へぇ…?』
彼の浮かべる笑みは、どこか不敵で。
さりげに迫力もあって、怯みそうになるけど。
『…じゃ。おまえはまず食った方がいい。そんなひょろひょろの体じゃ高校では吹っ飛ばされるぞ?食え。クロワッサン二個とか甘っちょろいことやってんじゃねえ。食って寝ろ』
『…はい?』