マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
しかし。この男は…。
「だからー。ゆらとは付き合ってないってずっと言ってるだろー。それに、ゆらにも『付き合っちゃえば?』って言われたしー」
「…えぇっ!ゆ、ゆらが!」
そう言って、あははと笑う。
逆に斗弥子の顔が驚きでビキビキに引きつった。
「ち、ちょっとちょっと!ゆらも良いって言ったって…!それにあんたらの関係、そんなことで済まされるあれじゃ…!」
「え?俺、フリーだし。星月は正室のつもりなんだけど」
「いや、はぁっ?!ち…星月ぃぃっ!」
「え?は、はい!」
斗弥子の怒りがどうにもこうにもならない蓑島くんから、私に向いた。
急にくる?!
今度は斗弥子がずかずかと怒りのオーラを背負って私の方にやってくる。
逃げる間もなく、腕を掴まれて引っ張られ蓑島くんから離れたところに連れてかれた。
「あ、あ、あんたぁっ!…あ、あいつは、悠介だけはヤバいって!ダメだって!」
斗弥子の顔がどアップになる。怒り剥き出しの顔だ。
「わ、わ、わかってるって!わ、私だって付き合うとか承諾してないし!」
「…え?じゃあ告白はされたの?」
斗弥子の後ろから、彩里がひょっこりと顔を出す。
「こ、告白?…いや」
「…でしょぉっ?!…星月。私、中学時代の悠介の話、したよね?!たくさん聞かせたよね?!ね?」
「あ、うん…聞いてる。覚えてる…」