マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
ヤツはそこを逃さず突っ込み、俺の顔を覗き込みながら『ぷぷぷ…』と、口元を隠して笑いを堪えている。
しまった…!
『18歳未満のくせに妻!妻でっせー!みんなぁー!さすが王子様、罪を犯してまでも妻を作る!妻!未成年なのに妻!未成年の旦那!』
『は?…コラァ!おまえ!』
何を急にふざけたことを…!
思わず怒鳴り声をあげてしまった。
よく分からない蓑島の罵声(?)に、周りの生徒も失笑、苦笑いをしている。
『王子、高校生にして妻いるんだとよ…?ぷぷっ』
『妻シャン使ってるんだもんな…ぷっ』
…この日を境に、俺は『イケメンなゆえに法を犯して妻をめとった』キャラ。
もしくは妻シャンキャラ?
もしくは微妙に天然キャラになってしまった。
ほんの少し間違えただけなのに…ここまで、盛り上げられてしまうとは。
バカにされている…!
それからというもの。
『よぉー水口っつぁん。今日もイケメン過ぎて、女子数人そこで死んでたぜ?』
『なぁなぁ水口っつぁん、鹿肉食べたことあるか?おまえの肉じゃないぞ?鹿肉!』
『水口っつぁん、おまえキョンっぽいなー。可愛い小動物っぽいもんなー』
キョンって、何。
何かと体育の時間、毎回しつこく絡まれる。
イジられる…!
これは、イジメだ。