マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



ヤツはそこを逃さず突っ込み、俺の顔を覗き込みながら『ぷぷぷ…』と、口元を隠して笑いを堪えている。

しまった…!



『18歳未満のくせに妻!妻でっせー!みんなぁー!さすが王子様、罪を犯してまでも妻を作る!妻!未成年なのに妻!未成年の旦那!』

『は?…コラァ!おまえ!』

何を急にふざけたことを…!

思わず怒鳴り声をあげてしまった。



よく分からない蓑島の罵声(?)に、周りの生徒も失笑、苦笑いをしている。



『王子、高校生にして妻いるんだとよ…?ぷぷっ』

『妻シャン使ってるんだもんな…ぷっ』



…この日を境に、俺は『イケメンなゆえに法を犯して妻をめとった』キャラ。

もしくは妻シャンキャラ?

もしくは微妙に天然キャラになってしまった。



ほんの少し間違えただけなのに…ここまで、盛り上げられてしまうとは。

バカにされている…!



それからというもの。



『よぉー水口っつぁん。今日もイケメン過ぎて、女子数人そこで死んでたぜ?』

『なぁなぁ水口っつぁん、鹿肉食べたことあるか?おまえの肉じゃないぞ?鹿肉!』

『水口っつぁん、おまえキョンっぽいなー。可愛い小動物っぽいもんなー』



キョンって、何。



何かと体育の時間、毎回しつこく絡まれる。

イジられる…!



これは、イジメだ。


< 643 / 800 >

この作品をシェア

pagetop