マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



俺に呼ばれると、慌ててやってくる。

そんなに慌てなくても別にいいんだけど。



『…どうしたの?』

『いつものやつ』

『あ、あぁ…はい。だろうと思って、はい』



すると、星月は手に持っていた小さなバインダーのファイルを渡してくれる。



『どうも』



それを受け取って、中を開く。



…これは、部活の練習メニュー。

マネージャーにだけ配られる、一週間分の練習メニューだった。



『…今日、これまた一年二手に別れるワケ。グループ分けは?』

『テキトーでいいって。…って、わざわざ予め覚えなくても教えるし、私達もちゃんと準備するよ…』

『別に』



入部してからもうそろ2ヶ月だが。

やはり、毎日コロコロ内容と順番が変わる、量の多い練習メニューを覚えられない。

量が多いので、準備にモタつくと時間が圧してしまう。

再び、神先輩に《どう落とし前付けてくれるんですか》とLINEしたところ。

《そうだ。マネージャーが一週間毎のメニュー表持ってるぞ。慣れないうちは見せてもらえ》と助言をよこしたので。

言われた通りに、マネージャーである星月にメニュー表を見せてもらって、予め内容を把握しておくことにした。


< 648 / 800 >

この作品をシェア

pagetop