マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



特別で、必死。

それが、本気で好きな証拠?



最初は、俺より三つも年寄りなヤローのただの戯言だと思っていた。

何を偉そうに、なんて。

でも、その意味を理解するのに、時間はそうかからなかった。




…この昼休みの訪問も、目的がメニュー確認と言うけど。

それは口実で。

こうして、星月と話したいから欠かさず来るんだ。

最初は、昔みたいな仲に戻りたくて歩み寄っていく。

昔みたいに、二人で笑い合って、たまに夢を語って…なんて。




『…明日、朝練ないからクロワッサン買ってくかな』

『あ、そう…』

『あんクロ買ってきてやるか?』

『えっ!い、いいよ別に…』




ちっ。遠慮するなんて、何かまだ距離があるな。

昔だったら『ありがとー!買ってきてー!』なんて図々しい部分もあったのに。

太るの気にしてんのか?

キャラじゃねえよ。女らしくしやがって。

女らしく…。



…あぁ、そうだ。



受験期の激太りは、部活に入ったら多少は戻ってきたな。多少は。

前はガリガリの筋肉質で、日焼けで小麦色の肌をしていて、少年みたいだったのに。

今は、痩せても何となくふっくらしたままだ。

肌も白くなっている。

女の子らしく…なった。


< 652 / 800 >

この作品をシェア

pagetop