マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『杉久保さん、この水口王子といつも喋ってるねー!仲良くて妬けちゃうー!』
『もう、蓑島くんってば。部活の話をしてるだけだよ』
蓑島のそんな一言に、ギクッとさせられる。
こいつ…恐らく気付いている。
俺の想いに。
こうして星月と二人でいる時に割って入って来るのは、もちろん。
俺が3組を覗いて星月に声をかける度に、必ず目が合う。
そして、俺の反応を伺うかのように、星月にわざと声をかけたり、ボディタッチをしたりするのだ。
あのドヤ顔を見せながら。
これは、もう…確信犯だ。
俺の恋愛にまで、イジりを入れてくるとは…!
なぜ、ここまでイジられなければならないのか。
単にイジられてるだけ?
それとも、これは嫌がらせで本当にイジメなんだろうか。
教育委員会に、本当に手紙を書かねばならない事態か。
それとも…こいつ。
まさか、星月のこと…。
『杉久保さん!俺、売店でバナナ買ってきたんだ!あーんしてあげるから、咥えてくれる?』
『…ちょっとぉっ!それ、セクハラでしょ!エロ扱いしないでよ!蓑島くんのバカ!』
『へへへー。てへぺろ』
星月に何を…!
てへぺろキモい。
俺と、このワケわからん男との戦いは、まだ続くのであった。