マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『瞳真くんごめん、何かごめん…!まさか蓑島くんに見られてたなんて…!』
村河はこの事態をようやく察したのか、俺の後ろを着いてきながら、謝罪を始めた。
ふと、落ち着いて話をせねばならないと感じ、足を止める。
『…さっきの事は、誰にも言うな』
『え?』
『さっきおまえがしたキスのことだよ。絶対誰にも言うな。死んでも言うな。わかったか!』
『…特に星月には?』
『は?』
振り返ると、村河はこっちをじっと見ている。何かを言いたげに。
『わかってるよ。瞳真くんが星月を好きなの。みんな言ってるし』
『………』
わかってて、俺にあんなことしたのか。
本当に、手がつけられない壊滅的な女だな。
何故だかイラッときてしまい。
あまり口にはしなかったことを、堂々と言い放ってしまった。
『…そうだよ。星月が好きだから。だから困る』
開き直ってしまったからか、何も恥ずかしくない。
今一度、念を押すつもりで村河をキッと睨む。
村河は口を尖らせていた。
『…もう。わかったよ。フラれちゃった』
『うるせえな』
悪いが、最初からおまえなんか相手にしてない。
俺が見てんのは、一人だけだから。
この直後に、敦斗がチャリで登場した。