マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
何だか、すっげぇ空回り…。
自分の力の無さを情けなく感じてしまい、肩を落として途方に暮れていた。
正直、二人が一緒にいるのを見るのは辛い。
そこは…星月の隣は、俺の場所だったはずなのに。
そう思うと、今まで自分が何をやってきたのか、やり場のない憤りさえ感じる。
…『好き』って言えたら、どれだけ楽か。
今ここで、『星月と一緒にいたい』って、言えたらどれだけ楽か。
そう、言うことが出来ないこの状態に、悔しさが滲むように拳に力が入って、息をのんでしまう。
大きく掲げた決意は、いかほど進んでいても。
俺達の距離…この想いの距離は、少しも近付いていない。
…え?
言うことが出来ないこの状態?
って、どんな状態だよ。
自分でそう勝手に線を引いて、壁を作っているだけだろ。
…あぁ、そうか。
俺、まだまだ一歩も踏み出せてないんだ。
しかし、一歩を踏み出そうとしても、なかなか前に進まない。
俺の目の前に立ちはだかる蓑島が、邪魔をしてくる。
時には、耳に息を吹き掛けてきたり(…)。
じゃれ合いなのか、取っ組み合いなのかわからん状態になったり。
その一歩が踏み出せない。