マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
一方、星月は星月で、どんどん蓑島にハマっていく様子がわかる。
二人で札駅でデートしていたり。
この間は、授業サボってまで蓑島の試合の応援に行ったとか。
昼休みも蓑島と二人きりで過ごしているらしいし。
もう、心の中は蓑島一色じゃねえか。
入り込む隙間もない程に。
これは、もう…ダメかもな。
納得出来るワケはないが、諦める他しょうがない。
そりゃ、落ち込みに落ち込みまくる。
…だけど、それでも俺には。
一筋の光がある。
『恋愛』は諦めるしかないかもしれない。
けど、俺には『仲間』である星月に捧げる決意がある。
今ここで、一緒にサッカーをやる。
俺が出た試合は、必ず勝つ。
そして、一緒に喜ぶ。
同じ志を、持つ。
昔のように。
星月がケガをして失意のドン底にいた時に、何もしてやれなかった償いとかそんなんじゃないけど。
俺達を繋ぐものは、もうこれしかないから。
デカく掲げたこの決意だけは、守りたい。
星月が幸せなら、それでいいんだ。
別に、俺の傍じゃなくても。
小さな頃からずっと大事にしていた、俺が一番『愛しい』とも思えるおまえが、幸せなら。
俺は、いいんだ。