マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
それに、俺にしか出来ないことがある。
星月と共にやってきたサッカーで、俺はアイツを幸せにすることが…出来るんだ。
『仲間』として。
不本意ではあるし、心の奥はくすぶったままだけど。
暗示のように自分にそう言い聞かせ、前に進むしかない。
…そう思っていた矢先のことだった。
それは、月曜日の朝のこと。
『…おまえにも話があるっ!…来いぃぃっ!』
そう言って、チャラ男先輩こと早霧谷さんは、俺を引っ張って校舎の陰に連れていく。
グランドからだいぶ離れてしまった。
ヤバい。チャラ男先輩を更にエロとかナンパヤロー呼ばわりしたから、怒られる。
この剣幕は、以前『名前、ドキュンですね』とつい言っちゃって、一発チョップを喰らった以来だ。
…と、思いきや。
そうではなかった。
『…え?星月が、蓑島んちに?』
チャラ男先輩は頷いて、深いため息をついている。
『…行ったらいるんだもん。ビックリしたわ』
昨日、早霧谷さんは、彼女の両親…蓑島の父と母にバーベキューにお呼ばれして、蓑島家に行ったそうだ。
彼女の家族、両親の友達を含めた定期的にやっているホームパーティーだそうだ。
しかし、行ってみてビックリ。
そこに星月がいたのだ。