マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
…と、思う反面。
何なんだろう。あの二人の世界。
…それは、私が欲しくても得られないものだと気付いた時。
複雑にさせられ、ツラかったけど…少し、イラッときた。
そんなことを考えながら、少し重たい大きめのジャグを持って後を追う。
冷静になってくると、そんなことを少しでも考え、イラッとした自分に嫌悪感を持った。
…嫌だ。二人のことを、こういう風に思ってしまうの。
部員たちがアップしているのを横目に、一人でライン引きをする。
先程の光景を目にしたからか、気持ちは若干…重い。
「星月、手伝うよ!」
その本人がライン引きをしている私のところにやって来た。
「あ、こっちは一人で大丈夫。望絵マネたちの手伝いして。買い出し行くって言ってたから」
「…あ、うん」
あっさり断ると、あっさりと引き下がって、望絵マネたちのところへと走って行く。
その後ろ姿を見て、胸を撫で下ろした。
…ごめん、美優。
ちょっと、今は一人になりたいんだ。
二人を目にしてイラッとしてしまったことに、物凄く罪悪感を感じる。
瞳真のことも、美優のことも嫌いじゃないのに。
何で…。
しかし。
一人になりたい時に限って…会いたくない時に限って、会ってしまう。
ライン引きを終えて、道具を片付けるために倉庫に向かう。
すると、その彼に出くわしてしまった。
「…あ、星月」
道具を片付けて倉庫を出ようとすると、入れ違いで瞳真が入ってくる。
…今は会いたくなかったのに。