マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
ちっ…この男!
大切な人は必ず自分の手で守る…だぁ?
カッコいいことばかり、綺麗事ばかり並べやがって!
いろんなことが見透かされまくって、動揺はするが。
…そんなものは、俺の幸福論でも何でもない。
『しょうがない』からくる、単なる致し方無い結果だ。
なのに…蓑島。
二股かけてるにも関わらず、男の理想論を語ってカッコつけてるおまえに何がわかる?
…何もわかっちゃいねえだろうが!
この、インチキフェミニスト!
(ちっ…!)
蓑島の怒りに煽られる。
すでにイライラムカムカが絶頂していて、俺だって怒りを顕にする。
お互い掴み合って引き寄せあって、額と額がくっつきそうなぐらい顔を近付けて。
お互い激しく睨み合い、メンチ合戦を繰り広げていた。
怒りを顕にした蓑島のマジギレ顔、初めて見た。
いつも笑顔を絶やさず、ヘラヘラしてんのによ?
…正直、迫力あるな?ビビったわ。
でも…俺だって、バカにされまくって頭にきてんだ。そんなもんに怯んでいる場合じゃねえ…!
『…てめえの理想論だとか幸福論だとか、どうでもええわ…』
『…あぁ?』