マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



ちっ…この男!



大切な人は必ず自分の手で守る…だぁ?



カッコいいことばかり、綺麗事ばかり並べやがって!

いろんなことが見透かされまくって、動揺はするが。

…そんなものは、俺の幸福論でも何でもない。

『しょうがない』からくる、単なる致し方無い結果だ。



なのに…蓑島。

二股かけてるにも関わらず、男の理想論を語ってカッコつけてるおまえに何がわかる?

…何もわかっちゃいねえだろうが!

この、インチキフェミニスト!



(ちっ…!)



蓑島の怒りに煽られる。

すでにイライラムカムカが絶頂していて、俺だって怒りを顕にする。

お互い掴み合って引き寄せあって、額と額がくっつきそうなぐらい顔を近付けて。

お互い激しく睨み合い、メンチ合戦を繰り広げていた。




怒りを顕にした蓑島のマジギレ顔、初めて見た。

いつも笑顔を絶やさず、ヘラヘラしてんのによ?

…正直、迫力あるな?ビビったわ。

でも…俺だって、バカにされまくって頭にきてんだ。そんなもんに怯んでいる場合じゃねえ…!





『…てめえの理想論だとか幸福論だとか、どうでもええわ…』

『…あぁ?』

< 702 / 800 >

この作品をシェア

pagetop