マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



それから数日後。

蓑島が血相を変えて、横川の家にやってきた。



『ゆら、大変だ!』

『何よ。盛ってたら殺すわよ』

『盛ってない盛ってない!…これ、見てくれ!』



そう言って、慌てる蓑島が横川に見せたものは、パソコンのネットニュースをプリントしたものだった。

写真、なでしこジャパン?…いやいや、女子サッカー選手だ。



《星天FC杉久保星月、女子U-12代表選抜入り決定!》



『これ誰?』

『この子!この子だよ!俺に四つ葉のクローバーをくれた子は!』

『え?あの…勝利の女神とかっていう?』

『この子、すごいサッカー選手だったんだ!日本代表だぞ?すげえ!すげえのに俺、四つ葉のクローバーもらったんだ!』





…そこからの蓑島は、人が変わったかのように野球に対して前向きに取り組むようになったという。

それがプレイにも出て、ホームランも何本かでた。

中学でも、本気で野球をやる。

中学では、横川の兄二人が在籍していた中学硬式リーグのチームに入った。



同時に、星月の中学での活躍も新聞やインターネットでチェックをする。

サッカーマガジンで女子の特集があれば読み、星月が載っていたら、横川がそれを蓑島に買っていったそうだ。


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