マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



その活躍を喜んでは、自分の励みとなり。

それを糧に、自分も野球を頑張る。

…頑張れる。



中学ではレベル上の強豪たちが相手だったり、チームメイトもライバルで。

ますます生きにくい日々慣れれずに心を削りながら。

でも真面目にも、今日も。

明日を信じて、歯を食いしばる。



だから…星月は『恩人』なのか。

自分に野球への思いを思い出させてくれた、野球を諦めさせないでくれた。

野球へと、引き留めてくれた、恩人。





…しかし、中三の夏。

蓑島も中学の野球を引退した夏休みの頃。

星月が全国大会でケガをしたことを、地域のスポーツブログで知ることとなる。


最初は心配そうにしていた蓑島だったが。

『まあ、彼女ならケガ治してサッカー続けるよ。だって、未来のなでしこジャパンなんだぜ!』

と、何の根拠もなく前向きでいた。

…今思えば、自分の崇めた神様的存在の彼女だから、信じたかったのだろう。




しかし、それが本当に何の根拠もなかったとわかるのは、高校入学してからだった。



高校入学間もない頃の帰り道、蓑島はガッカリした様子で横川に呟いたという。


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