マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
『ゆら…あの子、サッカーやってなかった』
『…え?』
『サッカーどころか…うちのクラスにいた』
『えぇっ!』
蓑島は、深いため息をついて落胆していた。
『…だからと言って、まさか星月と付き合うなんて言い出すとは思わなかったわよ』
横川はむくれた横顔を見せる。
って、その態度。二人が付き合う事に関してはやっぱり不服なのか?
『っつーか、横川は蓑島と付き合ってんじゃねえの?なのに星月を彼女にするとか、どういうワケ?二股…おまえ、いいの?』
思わずズバリと聞いてしまった。
デリカシーのかけらもない。
すると、横川は今度は深くて長いため息をついた。
『…悠介が「俺のやることにしばらく黙って協力して何も言わないどいて」って言うから協力してきたけど…実は、もう限界』
そう言って、はぁぁ…と項垂れる。
『おまえ、余程ダメージなワケ?』
『ダメージよ。ダメージ。嫉妬心を隠しているのも限界ってワケよ…。でも、私だって星月には感謝してる。悠介に野球を続けさせるきっかけをくれた人だから。星月は良い子だから、私も友達になりたいと思ったし…でも、もうダメ…』