マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
その場で大声を出して意味不明の挨拶なんてしちゃったもんだから、捌けかけていた部員たちは一気にこっちに注目する。
「…あ、あれ野球部の蓑島?」
「ミスターだろ?な、何で?」
学校1のイケメンの突然の登場に、みんなざわざわしている…。
傍にいた先輩マネ二人は揃って「きゃー!」と黄色い声をあげていた。
「ゆ、悠介っ?何しに来てんだおまえわ」
一番近くにいた紫苑先輩。
だが、蓑島くんの頭をぺちっとツッコミのように叩いていた。
「うふふ。お疲れさまです、お義兄さま」
そんな蓑島くんはツッコまれて「いひっ」とやんちゃに笑い返している。
今。キラキラスマイル出たよ。
先輩マネたち「カッコいいー!」と、またキャーキャー騒いでいる。
「…っていうか、お知り合いですか」
悠介、お義兄さまと呼び合う仲。
紫苑先輩と蓑島くんはお知り合い…!
すると、紫苑先輩は蓑島くんを指差して説明してくれる。
「…あ、こいつ、俺の彼女の弟」
「そうでーす」
「えっ!」
蓑島くん、お姉さんいたの?!
しかも、紫苑先輩の彼女!
…なるほど。野球一家なワケだ。