マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
グランドには誰もいなくて、ガランとしていたが。
その傍にあるベンチに一人、腰かけて空を仰いでいる。
瞳真が、いた。
今も…待っててくれた。
その姿を見ると、じーんと熱いものが胸に込み上げてくる。
なぜか感動に近いものがあって、涙出そう…。
やっぱり…好きなんだ。
「…瞳真!」
さっきの呼び掛けでは聞こえなかったようで、もう一度叫んで呼び掛ける。
更に大きくした声はさすがに耳に入ったのか、辺りをキョロキョロとし始めた。
「星月…?」
「瞳真!遅れてごめんっ…」
本当に待たせてしまったので、申し訳ない思いを胸に抱えてしまい、その場から再びダッシュする。
すると、瞳真は慌てて立ち上がって、こっちに向かってくる。
「急にダッシュするな!膝…」
「大丈夫だって!」
いつも大丈夫って言ってるのに、いつも気にしてくれる。
…本当は、こういうところ、いつも気にかけてもらっていた。
ホント、大丈夫なんだよ?
大丈夫、今の私。
強がりじゃなくて。
本当に、大丈夫。
だから、今なら言える。
本当のことを、素直な気持ちを…言える。