マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
そう言って、右手で顔を隠すように頭を抱える。
え。何か…機嫌悪くなっちゃった?
ため息二回もつかれて。
ひょっとして、私。
やらかした…?
「…っとに、そんな恥ずかしげもなく好き好き言えるよな…何を思い込んで暴走してんだよ…」
「えぇぇ…」
暴走?
やっぱり、やらかした…?
でも、その手の隙間から見える瞳真の表情は、ムッと口を尖らせている…だけではなく。
何となく顔を赤らめて、照れ臭そうにしてるようにも見えた。
か、可愛いよ…その仕草。
って言ったら、怒られるかな。
お互い、うつむいたまま立ち尽くしてしまった。
「おまえ…そういうのは、男に言わせるもんなんだよ!なのに…」
「えっ…」
「…まあ、いいか」
「………」
…いいの?
よくわからないけど。
そこで、先日『男心をわかってない』と言われたことを思い出して、再びグサッときた。
男心、どうしたらわかるの…。
「…星月、おまえさ」
「あ、うん」
急に話を変えられたので、慌てて顔を上げる。
瞳真はいつものクールな表情ではあるが、気持ち恥ずかしそうに目を逸らしている。
そして、何かを言いづらそうにしているけど…。