マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



「蓑島とは…どうなってんの?」

「…へ?」

「付き合ってんじゃなかったっけ…」

喋ってるうちにモゴモゴと語尾が消えかけていた。



…あ。

そうだ。

きっと瞳真は、私と蓑島くんが本当に付き合っているって思ってる。

なのに、瞳真好き好き言うのはおかしいよね。



なんて説明しよう…。

まさか、瞳真がキスしてるの見て泣いちゃったからとは言えない…。



都合の悪いところだけ伏せて。

本当のことを言った方がいいよね…?




グッと力んでしまい、拳に力が入る。

…大丈夫。





「わ、私…」





大丈夫だよ。

恐いものなんて、何もない。




「蓑島くんとは…付き合ってなかったの」

「…は?」



私の言葉で、ぐっと眉間にシワを寄せている。

不機嫌な表情を見せられて、ビクッとさせられてしまった。




「あ。ああぁぁ…そうじゃなくて。蓑島くんとは付き合ってる…フリ?」

「は?付き合ってるフリ?」

「う、うん、まあ…」

「何で付き合ってるフリが必要だったワケ?」

「そ、それは…」


ズケズケと聞いてくるね…。

でも、ちゃんと説明しなくちゃ。

私達のやっていたことを全否定されても。


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