マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
何故か腰に手を当てて、仁王立ちして私達を出迎える。
蓑島くんが…。
その蓑島くんは、眉間にシワを寄せてずかずかとこっちに歩いてくる。
な、何!
そして、私…ではなく、瞳真の顔を上から覗き込んでいる。
顔近い。まるで、ヤンキーみたい…。
…だけど。話し方はヤンキーじゃない。
実演販売のおばちゃんだった。
「水口王子、今日も女子何人か死んでますわ!一人一人葬式してあげてー!」
「…うるせー。インチキヤロー。おまえのそのノリ、エセ占い師みてえなんだよ。でっかいガラス玉持ってる占い師」
「ガラス玉?水晶でしょ?ガラス玉占い?うひひ…でなくてですね?!このおバカ王子様!」
「何だよ。うさんくさいヤロー」
蓑島くんのしつこさに、瞳真がクールな無表情ながらもムッとした表情になる。
蓑島くんは、一瞬だけ私の方をチラッと見た。
「…水口。おまえに一言だけ言っとくぞ?」
蓑島くんの声のトーンが落ちた。
実演販売のおばちゃん風でもエセ占い師風でもない。
「んだよ。うさんくさいヤロー」
瞳真のムッとした表情は続いている。
それどころか、こちらも眉間にシワがグッと寄って…。
…え?え?
まさか、再びケンカの始まり…?!