マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



…いや、お互い好きだって伝え合って、キスして『一緒にいよう』が、その彼氏彼女への儀式だったのかもしれない。

でも、はっきりした言葉がないので。




正直、付き合ってるのか何なのか。

私にはわからない。



そして何せ、それを聞く勇気がない…。




(あぁ…)





このよくわからない結果に、ため息が出る。





「星月、ひょっとしてさぁ…」

「…ん?」

「まだ『付き合おう』とか言われてないワケ?」

「………」



どうして…。

どうして、この蓑島悠介とかいう人は、ドンピシャに察してしまうのでしょう…。




返答せずに無言でスルーしてると、蓑島くんの「ははっ」という笑い声がした。




「星月かわいそー。試合終わったら、相談にのってあげる」

「…いいよ。蓑島くんに相談なんてしたら、瞳真怒るし」

「っつーか、今も俺たち話してるの見て妬いてるかもよー?水口、餅焼きモンスターだから?」

「…こら!…もう試合はじまるよ!」




もう!本当に、最後までふざけてくるね。

…でも、それで彼に救われていたのは、言うまでもない。




これからも、助けてくれちゃうの?

…ううん。もういいよ。

私、大丈夫だから。

蓑島くん。










< 788 / 800 >

この作品をシェア

pagetop