マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
夏輝くんは確かに、明日来ます。
うちのお兄ちゃんやお母さんと一緒にだけど。
「せづならベンチワークもスコアもばっちりでしょ?紫苑先輩や糸田先生の御相手も」
「…え、お客様の接待なら大丈夫ですよ」
「いいのいいの!せづは選手の方をお願い!」
えーっ。私も夏輝くんと試合見たかった…。
…じゃなくて。
決勝のベンチという、こんな重大な任務を任されるなんて、私もプレッシャーだよ…。
まあ、いいか…。
先輩、お兄ちゃんとお母さんの接待もしてね。
そういうワケで、決勝戦当日。
試合前は大忙し。
選手たちと一緒に控え室にいて、準備をしていたけど氷が少ないかなと思ってしまって。
スタンドの方に向かい、氷を貰いに行く。
準決勝からは、高校グランドではなくプロも試合をする競技場で試合をする。
やっぱり雰囲気が違うな…と、スタンドに上がってフィールドを見下ろすと改めて感じる。
今日、ここで。
とうとう決勝。
ここまで来たんだ。
勝てば、全国だよ…!
一層の感動を胸に、手には受け取った氷を抱え、弾んだ気持ちでスタンドの階段を降りる。