マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様
私達の前に現れたのは…蓑島くん、隣には横川さん。西尾くんもいる。
…野球部の皆さんだ。
「おーい!星月!水口っつぁん!応援に来たでー!」
蓑島くんは姿を現すなり、皆から離れてこっちに向かって走ってくる。
何故か、すごいテンション高い。
瞳真は「うわ…」と嫌な顔をした。
「蓑島くん、ホントに応援来てくれたの?!」
「もちろんさー!負けちった俺達のぶんまで勝って全国!行ってもらわないとー!」
「ありがとう」
蓑島くんたち野球部は、二回戦で強豪校と当たってしまい、惜しくも敗退。
だから、決勝まで勝ち進んだサッカー部には絶対頑張ってほしいということで、野球部みんなで応援に行くと予告されていた。
ホントに来てくれるなんて、嬉しい。
「杉久保さん頑張れよー。えっちんとスタンドで応援してるわー」
「西尾くんありがとう」
「蓑島様の美声、轟かせますよー!」
「うわー。蓑島の美声いらねえわー」
「蓑島くん…ありがと。うん」
「何なに。何でそんなに苦笑いなの」
「………」
ふざけ過ぎないでねってこと…。
すぐ傍では、瞳真と横川さん、二人と同じクラスの上松くんが話をしている。
「瞳真、ピンチになったらスリランカの首都三回唱えんだろ?」
「無理。舌噛む。アゲが言って」
「水口、たまには神頼みも大事よ?三回言えるように練習しときなさい」