マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様



アホみたいに今日も、何かを信じて心を躍らす。

アホ…。







「…人、すごいね」

「ああ…」





それから、時間になりベンチ入りをしたのだけど。

予想以上の歓声の量に、思わずフィールドから瞳真と並んでスタンドを見上げてしまう。



プロの試合じゃない。高校の試合なのに。

人数収容の多い競技場のスタンドが、人で埋め尽くされている。



何でだろ…と、思ったが。

心当たりは、ある。




…昨日の夜。

蓑島くんが、アカウントだけ持っているのみの状態であるSNSを、初めて動かした。




《明日、ミスター蓑島はサッカー部の決勝戦の応援に参加しまーす!》

《生徒会が応援Tシャツ作ってくれたよ!これを着てみんなもサッカー部を応援しよう!》




と、いつ作成していたのか知らないけど。

チームカラーである黄色いオリジナルの応援Tシャツを着た蓑島くんと生徒会長の写真が添付してあった。



やたらとフォロワーだけが多い、ミスターである蓑島くんのアカウント。

それが動いたとなれば、注目度は高い。

その結果、こんなに人が集まり…。



「蓑島くんって、すごいね…」



思わず呟いてしまった。

普段蓑島くんを毛嫌いしている瞳真も「あぁ…」と、納得している。


< 795 / 800 >

この作品をシェア

pagetop