王子様とブーランジェール
baKed.2 王子様とヤンギャルのインスタ映え
女豹とヤンギャル達には毅然した態度を
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baKed.2
王子様とヤンギャルのインスタ映え
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「さっきのは、なくね?」
「は?」
昼休み終了のチャイムが鳴り。
嵐さんという急な来客も帰った。
…あれから、なかなか帰ってくれなかった。
俺の腕にしばらくしがみついたまま、今度は二人であそびに行こうとか、俺の腕が筋肉ついててすごく良いだとか。
しまいには、
「あの日凄かった…」
と、耳打ちされたり…。
そのうち、咲哉も帰ってきて、無言でニヤニヤと笑いかけてくる始末。
いったい何なんだ。
何だこの古くさいベタなアプローチ。
何がしたい。
「…って、なくね?って何がだよ」
突然のフリに、疑問で返す。
理人はシラッとした顔をしている。
「さっきの三年女子のこととかもあるけど。でもそれより、桃李のこと」
「…どんなこと」
何となくわかっちゃいるが…聞き返してみた。
「あれは言い過ぎだろ。みんなの前で。桃李、夏輝に怒鳴られてマジでキョドってただろ。可哀想じゃね?」
「…そうかな」
と、反論はしてみるもの。
心にグサッときたのは言うまでもない。
確かに。
さっきは怒鳴りすぎた。
俺自身、嵐さんが現れて、多少パニックになっていたのもあるけど。
…でも、周りに注意しないでぶつかってたのは桃李だろ。
かなり勢いよくぶつかっていったぞ?
嵐さんがケガでもしたら、どうするんだ。
で、まともに謝りもしないで。
気を遣わないにも程がある。
でも…ちょっと、言い過ぎたのは事実ということには、気付いている。
チャイムが鳴り終わってから、しばらくして桃李が教室に戻ってきた。
また目をうるうるさせて、「うー…」と、涙を堪えているようだ。
今にも泣きそう。
…こりゃあ、相当糸田先生にしぼられたな。
遅刻ばかりするからだ。
しかし、その泣きそうな顔を見ていると。
少しばかりか、罪悪感にかられる。
やっぱ言い過ぎたかな。
でも。
『桃李、ごめん…』
あーっ!死んでも言えない!
プライドが邪魔しているのもあるけど。
本当はかなり照れ臭い。恥ずかしい。
ついつい言い過ぎてしまうのは、日常だけど。(だって、突っ込みドコロ満載だし…)
実は、桃李の前に出ると。
ドキドキして照れる。
実はさっき、外れた眼鏡をかけてやった時も。
距離が近くて、ドキッとした。
だけど、照れるから、ついつい言い過ぎてしまう。
困ったもんだ…。
純情ラブストーリーは、依然続行中。