王子様とブーランジェール




『そういうワケで、ママ?これからエリ達来るから。来たら通してね。よろしく』

『はいはい、エリちゃんね。わかったよー』



そう言って、再び部屋に戻る。

またお籠り開始となった。




しかし、これから、狭山が来る…!

あの、凶悪将軍、狭山が…!



…の、前に、来客が。



ピンポーンとインターホンが鳴る。

電話切って間もなくなのに、狭山早くね?

しかし、優里マネ母が対応する前にどかどかと入ってくる。



『優里沙ママこんにちはー!』

『あらー!まゆちゃん!』

『あれー?木元くんもはっちーもいるの?』



林だ。

林まゆり…まゆマネ!



まゆマネは、優里マネの住んでるマンションの上のフロアに住んでいる。

サッカー部のジャージ姿のまま来訪した。

何やらデカい紙袋に荷物を入れて…。



『…まゆり、遅い!どんだけ時間かかってんの!』

『ごめんごめん。探したのー。段ボールに入ってた』

紙袋から出したのは、丈の短い、制服のスカート!

『太っちゃって入らなくなったスカート、あったー』

そう言って、まゆマネも部屋に消えていく。

すると、まゆマネの『きゃあーっ!可愛いっ!』と、いう感嘆声が聞こえた。

中がちょっと騒がしくなったようだ。




女子たちの黄色声が聞こえてくるようになった。

優里マネ母がお菓子とコーラを出してくれて、それを口にしながらお話しタイムとなった。

『こいつ、今年ミスター最有力候補なんですわ』

『えー!そうなのぉー!もし海里がミスターになったら、優里沙はミスター夫人になるのかしら?』

『っていうか、その話やめてくださいって!ミスターになったら別れるまで言われてるんですから!』

話も盛り上がって(?)きたその時。

またしても、インターホンが鳴る。



まさか…来た?!



威張りん坊将軍!



優里マネ母がインターホンに出て対応する。

なぜか、木元さんは心拍数が急上昇したという。



その、まさかが来た。



『…バカめ!これだから私の言う通りだと言っただろうが!』



初っぱなから、意味不明なセリフ?!

…狭山!



しかし、狭山は単身で来たのではない。



『…こんにちは!ランジェリーフィッターの沢辺伊織でーす!』



まるで、ホステスのような金髪巻き髪、上下黒スーツの女性も同伴!


いやいや、その人だけじゃない。



『おじゃまー!狭山さんに着いてきちゃった!』

『すみません、おじゃまします』



この人たちは…!


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