王子様とブーランジェール
baKed.5 王子様と激闘フェスパニック
胸キュンシーンとラブラブライフ
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baKed.5
王子様と激闘フェスパニック
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ーーーさて、物語もようやく中盤に差し掛かってきました。
ええ、まだ中盤です。
物語は全然またまだ続きます。
さてさて、皆様。
前半戦はいかがだったでしょうか?
王子様のイタっぷりが目に余るお話だったと思われますが…。
ーーーあっ。王子様がやって来ました。
これから王子様は、5時限目に体育の授業があるとのことで、御友人の方々とグラウンドに出ていらっしゃったようです。
「…あっ!ちょっとちょっと!竜堂くんだよ!…今、グラウンドにいる!」
「嘘っ!見たい見たい!」
「やんっ!カッコいい、ジャージ姿でも素敵…!」
「背も高くてスタイルもいいし、モデルみたい…!」
ーーーどうやら、王子様の存在に気付いて、女子生徒たちが次々と窓から顔を出しています。
この物語は、王子様の一人称で進んでますので、王子様が気付かなければあまり描写はされませんが。
実は、こんなことになっているのです。
王子様が登場すれば、女子生徒はお祭り状態。
「…いた!竜堂くん、いたよ!」
「顔、小さっ…カッコいいっ!」
「あぁっ…目の保養だわ…隣の和田くんも素敵…」
「夏輝様って呼びたい…」
ーーーさて、当の王子様はというと。
「…あーっ。暑い」
ちっ…暑いじゃねえか。昼下がりのグラウンド。
こんな炎天下のグラウンドで陸上の授業なんて冗談じゃねえ。
飲み物…アイスコーヒーしか持ってきてねえ。
「理人、スポドリ持ってねえ?」
「…はぁ?教室出てから言う?今言う?…って、アイスコーヒー持ってんじゃん」
「バカ!これから体育なのにスポドリな気分なんだよ!」
「じゃあ持ってくんな!」
「夏輝、スポドリならあるぞ」
「マジ。くれ。陣太、神だなおまえ」
差し出されたスポドリを歩きながら、2、3口ほど飲ませていただく。
うまい。うまいぞ。口の中、爽やかスッキリだ。
電解質万歳。
「スポドリひとつで神呼ばわりされてもな」
「…っていうか、女子、やたらと窓から顔を出してねえ?こっち見てるけど…」
「きっと夏輝目当てだろ。当の本人は全然眼中になく、現在スポドリに夢中ですけど?」
「余裕だなー。これがモテ男の貫禄か」
ーーーおやおや。御友人の方々は気付いているのに。
案の定、自覚ゼロでございます。