王子様とブーランジェール




最近俺達も行ってきた宿泊研修。

その中で、レクレーションの一環として、パン食い競争を行った際に。

とある先生がふざけてパンに紛れて、焼き肉食べ放題チケットを投入。



それが、悲劇の始まりだったという。



パンと一緒にぶら下がる、焼き肉食べ放題チケット。

そのレースの組の生徒がスタートすると同時に。



『…どけぇ!コラァ!』

『焼き肉!…よこせぇぇぇっ!!』



すでにレースを終えていた生徒四名、なぜか乱入!

五人で走るはずのレース、なぜか九人で走ってる!



乱入した四人の足はかなり速く、ほぼ同時に一目散に、その焼き肉食べ放題チケットに飛び付く。

その中の一人が、チケットを見事ゲット!



…だが。



『…なぁーにしとんじゃいコラァ!それは私のじゃけん、よこさんかぁ!』

一人がそいつに飛び蹴りを喰らわす。

地に倒れた隙に、チョークスリーパーをかける。

しかし、その隙を見て、他の一人がチケットを奪う。

だが、そこに他の一人が、襟をつかんで、背負い投げ!

チケットを奪うが、またしてもそこへ飛び蹴りが入る。

またしてもチケットを奪うが、またしてもそこで、タックルをかけられる。

またしてもチケットを奪うが、またしてもそこで、回し蹴りコンボで顔面らへんに攻撃をくらう。




掴み合い。殴り合い。蹴り合い。

四人の壮絶なバトルは、約30分続いた。

あまりの壮絶さに、ギャラリーは教師まで手を出せずにフリーズ…。



そして、糸田先生が乱入。



『おまえら、いい加減にせんか!この四馬鹿が!』



四人全員の頭頂部に、それぞれ鉄拳…拳骨を喰らわして、その壮絶なバトルは終了した…。

この四人を黙らせる、先生の拳骨って、どれだけの威力?

核兵器?



…しかし、そこに目をつけたのが、生徒会。



面白がった、その結果。





「…学校祭で、デスマッチ?!」



「そう。そうなのよ」

仙道先生は、うんうんと頷いた。

「デスマッチって、プロレス?」

「いや、今で言う、総合格闘技の試合みたいな。前夜祭のラストに闘技場で開催されたんだよ。選手はその四馬鹿…星天四天王。まあ、パン食い競争バトルの延長みたいな?」

「ルールは?」

「さすが竜堂は格闘技やってるだけあって、そこに食い付く?ルールは、何でもあり。どっちかが降参もしくはダウンするか、麻倉先生のドクターストップかで勝敗決めるみたいな」


< 248 / 948 >

この作品をシェア

pagetop