王子様とブーランジェール








「…えっ?!…つ、捕まえた?!」

「そぉーなの!」



朝練終えて、教室にはいると、そこにはすでに菊地さんと尾ノ上さんが登校してきており、二人で談笑していた。

『残党』たちの作戦や情報収集の経過が気になって気になって仕方ない。

挨拶をして、率直に知りたいことを質問する。

すると、尾ノ上さんは『実は収穫ありましたー!』と、ドヤ顔をする。



…えっ?!マジか!



「昨日、JRの琴似駅で捕獲したよ!不良どもを!…私と律子さんでねー?」

「…は?藤ノ宮?!」

「そうそう!5人がかりで、3人確保!新しく調達した武器、大活躍!」

新しい武器…?昨日、まゆマネが持ってきたビヨンドのケースか?





…あのあと、残党のメンバーたちは、新しい武器を持ってパトロールに出る。

しかし、この広い地下鉄とJRの路線。

人数にも限りがある。

そこで、白石厚別方面は松嶋に任せて、そこを除く各駅から更に狙いを絞ることにした。



まず、メンバー二人組で、JR、地下鉄にそれぞれ乗車。

それらしい不良の集団がいないか、車両内を捜索する。

そして、発見したら付近に待機しているメンバーに連絡。

不良たちが降車したら、その駅に集合し、不良たちの動向を観察しながら待機。



…と、いうことを何班かに別れて地道に行う。



降車し、そのまま駅を出ていく関係の無さそうな連中の方が多かったようだが。

ついに、その輩を見つける。

地下鉄琴似駅付近に待機していた尾ノ上さんと藤ノ宮のところに一報が入った。



『…いた!見つけたよ!緑ブレザー!JR琴似駅の前でたむろってる。3人。何か探してるっぽい!』



…間違いない。



『美咲、走るよ!』

『はい!律子さん!』



二人で現場に急行。

地下鉄の琴似駅と、JRの琴似駅は、その間徒歩15分。

その距離をダッシュして向かう。

その間、再度連絡が入る。



『…うちの高校の男子が現れて、早速絡まれてる!ど、どうしますか?!律子さん!』

『電話を切らないまま後を追って!もう一人は狭山さんに連絡して、他のメンバーも集めて!私と美咲、もう近くにいるから!』

『…はい!』

『美咲、武器の準備!見つけ次第それ使うよ!』

『了解です!』





「…武器って何?」

かなり気にかかっていた疑問をようやく口にしてみる。

しかし、それは驚き意外なモノで。



「…武器?投網バズーカ」

「…はっ?…と、投網?!」


< 551 / 948 >

この作品をシェア

pagetop