ご主人様の溺愛注意報!?
—―― 中学3年生、2月。



「なあ春翔、あの子めっちゃかわいくね!?」



一緒にいた友達が指差す方向には、地元の市立中学の制服を着た女の子が数人。




「なぁ、見てんの?あの子だよあの子!!ちょっと髪茶色いボブの!」




「あー、うん。見てるって…」




めんどくさくなってその子を見ると、俺は身体に電流でも走ったような感覚がした。




「…おい、春翔?」




あの子、知ってる。




くっきりした二重の大きな目、少し茶色がかったふわふわな髪、楽しそうな笑顔。




『春翔くん』




俺の名前を呼び、にこっと笑う少女の姿がフラッシュバックしてきた。




まさか…あの子が?




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