ご主人様の溺愛注意報!?
「あ、王子帰ってきた」




ドキッ





「...っ」






「ひどいなぁ、聖南ちゃん。置いてくなんてさ」





春翔に分かるもんか、私の気持ちなんか。




そもそも、気づかれちゃいけないんだもん。





私と春翔じゃ住む世界が違うんだから。




「つ、次!!あれ乗ろ!!早くあそこ行こ!!」




自分で言ってちょっと悲しくなったから、グイッと弥栄の腕を引いてジェットコースターの方へ。




「ちょっと聖南!?混んでるし暑いから走らないで!!」





「は、はやく乗りたいんだもん!」




「どうしたの急に」




怪訝そうな表情で私を見る弥栄に冷や汗が出てきそうだ。





とりあえず、今はまだ必死に隠していよう。




来るかわからない、言えるようになる日まで。



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