ご主人様の溺愛注意報!?
湊は片手でするりとネクタイを解くとソファにどかっと腰掛けた。





「立華は?」




「もう寝たよ。聖南も寝ただろうし、お前も寝ろ春翔」





「はは、寝れるかなぁ」




聖南ちゃん、どうしてるだろう。




誤解を解きたい。謝りたい。




浮かんでくるのかそんな気持ちばかり。


でも今しつこく話をしようとしても変化があるとは思えない。





むしろ嫌われそうでビビってるなんて所は、ダサくて本人には見られたくない。





「また “ マキ ” ってやつが暴走したんだろ?…ったく、何度目だよ」




「うん…」




茉希ちゃんは俺によく懐いてくれている。




…そのせいか、俺の周りに女の子がいるのが気に入らないらしく。





「初めて立華とアイツが会った日のこと、覚えてんだろ?」




「…もちろん」




俺と立華が兄妹だって知る前、それはそれは荒れた。





『あなた春翔くんのなんなの!?近づかないでよ、私の婚約者になる人なんだから!!』




『あなたこそなんなんですか?あなたみたいな人、春翔が選ぶわけないじゃん』





『はぁ!?あんた…調子乗らないでよ!!』




口喧嘩の末立華をぶとうとした茉希の手は間一髪、湊によって止められた。




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