ご主人様の溺愛注意報!?
「ごめんね、春翔…」





規則正しい寝息に安心し、私はベッドのそばの椅子に座った。




キングサイズのベッドの真ん中で寝相も一切悪くない春翔が寝ている姿は、まるで眠り姫…いや、眠り王子か。





「…結婚なんてしないでよ」





ポツリと本音が漏れた。




昨日茉希ちゃんに言われたことを思い出す。





春翔は私のものだから、か。





私もそんなにはっきり自分の意見が言えたらいいのに。





…だいたい、婚約って何?私たちまだ高校生だよ?




結婚の約束なんて高校生がするものじゃなくない?




嫌だよ、だって…





「……っ、好きなんだもん……」





口にすると目頭が熱くなり、視界が滲んだ。




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