ご主人様の溺愛注意報!?
「好きだよ、聖南ちゃん。聖南ちゃんよりずーっと前から」






「……っ」






声が出ない。これ、現実?私まだ夢の中にいるんじゃないの?





「もしもーし、聖南ちゃん?」








「嘘だ……」





蚊の鳴くような声で、やっと出た言葉はそれだった。





春翔が私を?好き?そんなわけないじゃん。





私はただのメイドで、庶民で、一般家庭のただの高校生で、特別何か出来るわけでも可愛い訳でもないのに。





「ねぇ、さっきの言葉、自惚れてもいいんだよね?」





しゃがんだ私には目線を合わせ、春翔はニコッと笑った。





「ずっと好きだった。小さい頃から。俺の初恋は聖南ちゃんだよ」




「嘘だぁ……」





言葉の意味を理解しだした頃、とめどなく涙か溢れ出した。




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